トップニュース■2001年3月1日 桐生タイムス社一面記事より

地域通貨導入へ研究 ボラ協の新年度事業、
助け合い社会の促進ねらい

------------------------------------------------------------------------

 桐生市ボランティア協議会(宮地由高会長)では、平成13年度の新事業として「地域通 貨」の試験的実施を計画している。地域通貨はそのコミュニティーだけで通用する通 貨のことで、地域住民がサービスを提供しあう媒体となるもの。宮地会長は「人々が助け合い、暮らしやすい社会を実現するためには、有効な手段だと思う。今後、実験を重ね、桐生でも導入していければ」と話している。
 地域通貨は、限られた地域の中でサービスやモノを交換する手段として使われるもので、「円」とは交換できない特徴を持つ。現在、北海道栗山町の「クリン」、兵庫県宝塚市の「ZUKA」、富山市の「きときと」、高知市の「エンバサ」など全国各地で、非営利団体が事務局となり、よりよい形を求めて試験流通 が行われている。  例えば宝塚市では、宝塚NPOセンターが事務局を務め、150人が実験に参加。利用者は「乳幼児を預かる」「パソコンを教える」「草むしり」「犬の散歩代行」など、「自分のできること」と「してほしいこと」を登録し、「ZUKA」を媒体に、サービスをやりとりしている。
 これまでボランティアといえば、する側とされる側に分けられ、一方通行の関係だったが、この地域通 貨は、人間関係が希薄となり、ご近所づきあいも減少しているいま、地域住民が双方向に助け合う社会をつくる促進剤として、期待されている。
 ボラ協では、4月に新たに委員会をつくり研究を重ねた上で、さまざまなボランティア団体に声をかけ、準備会を設立、2カ月程度の期間を設けて「地域通 貨」を試験的に流通していきたい考え。宮地会長は「地域通貨を通して助け合いの精神を養えば、地域も元気になるでしょう。何度か実験を繰り返し、有効なスタイルが確立できたら、行政にもサポートをお願いしたいと考えています」と話していた。